Q&A

  1. 「親子フィラー」って何ですか?
    親・子は大・小(2つ)の意、フィラーは満たすもの(埋めるもの)という意味があります。
    また、サイズ・名称は、「OF24」のように表現します。
    [O]:Oyako 、 [F]:Filler 、 [24]:M24のアンカーボルト

    図-1は、鉄骨造の脚部の例で、親子フィラーの使用状態を表しています。
    通常のベースプレートの場合よりかなり大きいアンカー孔が開いています。
    親子フィラーは、親・子それぞれが偏心した孔を持ち、ベースプレートのアンカーホール内でお互いに回転することにより、アンカーボルトの位置が中心から一方向に偏心した場合でも、無段階でそのずれに対応させることができます。

    図-1
    親子フィラー

    図-2の上段の2枚の絵は、アンカーボルトが設計位置(偏心0mm)にある場合を、下段は、アンカーボルトが絵の右方に偏心(最大)した状態を表しています。親フィラーと子フィラーの位置関係をご確認ください。

    アンカーボルトの偏心が大きい場合でも、親・子フィラーの回転により、孔の隙間が、中心にある時と同じように埋められていることがわかります。
    これだけの偏心(±9.0mm~±36.0mm)においても、ベースプレート・アンカーボルトをともに痛めることなく納めることができます。

    「親子フィラー」とは、アンカーボルトの偏心が大きい場合でも、いわゆる告示柱脚と同等の性能を得られるという特徴を持った特殊な金物なのです。

    図-2
    親子フィラー

  2. 「親子フィラー」を使うメリットは?
    柱脚で言えば、鉄骨柱建て方時のスピードアップとそれによる工事のコストダウンでしょう。もちろん安全についても高い評価を得ています。

    鉄骨柱の建て方時に対角となる最低2か所を親子フィラーで位置決めすることにより、柱位置は基準通りに設置できます。自立して横移動しないので、建て方工事は格段にスムーズに行えます。それによって重機等のリース期間を縮められれば、それ即ち利益です。

    耐震補強等の場合は、後施工アンカー(既設の鉄筋位置により精度よく施工ができない)がハリネズミのように設置されるとしたら、既存躯体を補強する鋼板の穴はどのように開けるでしょうか。アンカー位置を実測して穴を開ける?実際は大きな手間を食うことになり、実質不可能でしょう。ここでも親子フィラーの活躍の場があります。

  3. 「親子フィラー」を使う場合、ディメリットは?
    アンカーホールが一般の場合に比べて大きくなります。そのため、ベースプレートが大きくなることがあげられます。
  4. 親子フィラーが一般の柱脚で使える理由は?
    一般の鉄骨造柱脚のアンカーボルトに関しては、建築基準法施行令第66条に関連して、「国土交通省告示第1456号」において、「ベースプレートのアンカーボルト孔は、アンカーボルト径+5mmを最大とする(隙間としてみれば±2.5mm以内)」という規定があります。
    親子フィラーのアンカーボルト孔は、標準図に示す通り、+18mm~+36mmとなっており、上記の規定(±2.5mm以内)に抵触します。

    そこで、弊社は、親子フィラーを使用して、アンカーボルトとベースプレート孔の隙間を±2㎜(隙間の最大値は4mm)とすることにより、告示1456号に規定される「隙間5㎜以内」を満足することに成功しました。
    それをオーソライズするために、一般社団法人建築鉄骨構造技術者支援協会(SASST)に依頼して検討をしていただきました。
    結果は、「告示1456号の除外規定を満足する」ものであるとの技術評価を取得しました。
    したがいまして、一般の柱脚としてご使用いただけます。

  5. 親子フィラーを柱脚に使ったらコストは安くなりますか?
    一般の柱脚に比べて親子フィラーの分だけ高くなります。ベースプレートも大きくなるので幾分高くなるでしょう。
    ただ、この採用によるメリットをどう評価するかで判断すべきです。(A2.参照)
    実際、一度お使いいただいたゼネコン・ファブの施工者・管理者の方たちは、その多くの方は再度お使いいただいているケースが多いという事実があります。

    目に見えるメリット、ここに述べた目に見えにくい評価の両面で判断してください。
    使ってみたら値段には代えられない(安い)と感じていただけるでしょう。

  6. 親子フィラーの価格を教えてください!
    別途、「NET価格表」を用意しています。そちらをご覧ください。
    この価格は、親子フィラーのみの価格です。それ以外の部品(アンカーボルト・ベースプレート・座金、(W)ナット等)は含んでおりません。
    同表には消費税は含まれておりません。また、運送費は別途いただきます。
    施工については対応しておりません。
  7. 親子フィラーの納期はどのようになっていますか?
    「親子フィラー標準図一般用(M12~M48)・階段用」に示されているサイズは在庫品です。
    東北~九州においては実営業日で中3日のリードタイムが必要です。北海道、沖縄、島嶼部は別途ご相談ください。(北海道は通常1週間程度で対応しています)
    特殊品(寸法加工を要するもの、メッキ(HDZ55)品等)については、別途ご相談ください。
    また、注文の集中等によって一時的に品薄になる場合もありますので、納期は事前確認をお願いします。
  8. 親子フィラーはどこで買えますか?
    親子フィラーはメーカー(弊社)および地域販売店でお買い求めいただけます。お客様がご指名ください。
  9. 親子フィラーの構造設計方法を教えてください!
    親子フィラーに関して、特別な検討は必要ありません。一般の柱脚と同じように、建築基準法に準拠した設計を行ってください。
    但し、ベースプレートに通常より大きな孔をあけるため、ベースプレートの縁端距離や柱材等との干渉等、親子フィラーの納まりを確認していただく必要があります。この詳細は親子フィラー標準図(2017.11.15.)をご参照ください。
  10. 設計上の留意点は何かありますか?
    A9.に注意事項に述べた平面方向での留意点の他に、鉛直方向の納まりについては次の点をご確認ください。

    1. 親・子フィラーの鍔の部分の厚さが合わせて9mm(OF12))~28mm(OF80)あります。これは、アンカーボルトの余長については不利側になりますのでアンカーボルトの余長の確保にご注意ください。
    2. 各サイズともベースプレートの厚さに範囲があります。制限を超えて厚い場合は、Fb寸法を変更(長く)する必要があります。厚さが指定の範囲に収まらない場合は事前に必ずご相談ください。

    ※「Fb寸法」とは、親フィラーをベースプレートのアンカーホールに挿入した際、アンカー孔と接触する部分の長さ/深さのことです。

  11. 柱に関する制限ってありますか?
    特にはありません。
    便宜上、標準図には角形鋼管を示していますが、円形鋼管、H形鋼その他制限はありません。
  12. 建築確認申請において何か条件はありますか?
    親子フィラーの使用に関しては特段の要件はありません。
    その理由は、本工法は一般社団法人建築鉄骨構造技術者支援協会の技術評価(SASST 16-02)を取得しているからです。
    技術評価は、簡単に言えば、国土交通省告示「第1456号一号へ項」に抵触する部分を、SASSTの技術評価において、「同項の除外規定に足る性能を有する」ことを評価していただいたものです。(A4.参照)
    まれにですが、評価書の写しを提出するように言われることがあるかもしれません。その場合は、評価書のコピーを提出してください。
  13. 親子フィラー柱脚は「大臣認定」を取得していますか?
    1998年に、建築基準法第38条の規定が削除された段階で、「大臣認定の柱脚」は、日本国内にはなくなりました。一般には、この(旧)38条認定が(柱脚の)大臣認定と言われるものです。認定する基準(根拠)がないので、大臣認定柱脚は存在しないということになります。
    この他、大臣認定と一般に言われるものは、基準法第37条がありますが、これは材料に規定されるもので、工法(構法)には適用されません。
    ですから、巷に言う大臣認定柱脚という言葉があるとすれば、それは、技術評価された柱脚というのが正確な表現ではないでしょうか。

    評価機関は建築センターをはじめとした国内の技術団体です。SASSTもその一つです。
    ※2014年に、建築基準法第38条の規定が再度制定(復活)されました。内容は、旧基準と同様ですが、運用面で既存不適格(旧認定で取得した建築物等)への対応等についての明確な判断が無く、実務上運用を検討されているというのが現況のようです。
    このような状況のため、各旧38条認定柱脚の各メーカーは対応を見守っているのかもしれません。
    今後の推移を見守りたいと考えます。

  14. 使用される柱脚部材(材質)の制限は?
    親子フィラーに関係しては、

    1. ベースプレートに制限はありません。
    2. アンカーボルトには使用材料に、強度上の制限があります。
      この内容は標準図に記載されているのでご参照ください。
      (引張強度が490N/mm2以下のものを使用してください)
  15. 親子フィラーの材質は?
    親子フィラーの材質は、JIS G4051に規定される、機械構造用炭素鋼鋼材(S45C)です。
    S45C材は、建築基準法第37条において指定建築材料として登録されております。
  16. 親子フィラーを使用した柱脚の施工はどうやるのでしょうか?
    先ず、鉄骨柱を基準位置に合わせて設置した後、親フィラーをアンカーホール内に、回転させながら挿入します。アンカーボルトが基準位置から偏芯している場合は、この回転・挿入により、親フィラーの凡その位置は決まります。

    次いで、子フィラーを同様な手順で回転しながら親フィラーの中に挿入します。どこかの位置で親フィラーの中に挿入されます。そうならない場合は、親フィラーを少し左右に回転させてください。そうすれば、ベースプレート・親フィラー・子フィラーは設置できます。これで完了です。その後は、座金、ナットを取り付け、全体を固定します。

  17. 親子フィラーの施工に資格はいるのでしょうか?
    施工資格はいりません。誰でも施工をすることができます。
    但し、アンカーボルトに適合した親子フィラーが使用され、規定通り収まっていることを工事管理者は確認する必要があります。
  18. 親子フィラーを使用する場合のベースプレート穴加工について
    ベースプレートのアンカーホールは、ファブリケータの工場等で機械加工等により正確に開けられた穴であることを前提にしています。
    現場でガス溶断等で加工された穴は想定しておりませんのでご注意ください。
    ※今後、世の中の進歩に合わせ、例えばレーザー切断加工等が一般に使用されるようになるケースも想定されますので、推移を見守りたいと考えます。
  19. 親子フィラーのベースプレートからの突出について
    親子フィラーは親フィラーのFb寸法がサイズ毎に規定されています。(標準図参照)
    ベースプレートの厚さが規定内であっても、厚さが薄い場合はベースプレートの下端面から親フィラー端部が突出する場合があります。
    これは、設計上の問題はありませんが、施工の時点で、レベルモルタルや柱型コンクリート等に干渉する恐れがあります。事前にご確認ください。

    また、ベースプレートが直接基礎部位に接する場合は親フィラーが浮き上がり、アンカーボルトの固定ができない場合があるので注意が必要です。
    これらの場合は、事前にご相談ください。

  20. 親子フィラーへの溶接について
    親子フィラーの材質は機械構造用炭素鋼鋼材(S45C/JIS G4051)です。
    溶接による加工には不向きですので、溶接はもとより、ガス炎等による加熱もしないようにご注意ください。
  21. 親子フィラーが基準外の寸法の時の対応は?
    標準図に規定の親子フィラーについて寸法を変更する場合は、SASSTによる技術評価範囲外になります。設計者様の判断でご対応いただくことになります。
    但し、Fb寸法(標準図参照)に関しては、所定の条件下での加工は認められております。特に、ベースプレートが厚く、規定のFbでの対応ができない場合はFbを長くすることにより使用することができるようになります。
    この対応の詳細については弊社までご相談ください。
  22. 階段用の親子フィラーが新たにシリーズに加わりました!!
    階段用親子フィラー(OF-K)は、用途を階段専用とした親子フィラーです。
    アンカーボルトのM16とM20に対応します。
    OF-Kは一般柱脚用の親子フィラーと異なり、アンカーボルトのクリアランスが±20㎜と、一般品の約2倍となっています。
    OF-Kの仕様(形状・寸法等)は一般品とは異なります。
    OF-K専用の標準図を用意してありますので、そちらをご参照ください。
  23. M33のアンカーボルトについて孔径(標準図)が2種類あるがどっちが正しいのか?
    標準図は作成日(右下に表示):2017.11.15.のものが正規(最新)です。
    ご指摘の標準図は、[一般用M12~M48]で、以下のものと思われます。

    • 作成日:2017.11.15.(訂正済・正規のもの)
    • 作成日:2017.10.10.(間違いの表記があるもの)

    後者においては、以下の4か所の記載に誤りがあります。

    • アンカーボルトサイズM30 <ベースプレート孔径φ60>(正規はφ55)
    • アンカーボルトサイズM33 <ベースプレート孔径φ65>(正規はφ60)
    • アンカーボルトサイズM36 <ベースプレート孔径φ70>(正規はφ65)
    • アンカーボルトサイズM12 <ベースプレートe5寸法52.5>(正規は59.5)

    ご指摘の内容は、M33について、ベースプレート孔径がφ65とφ60の2つの表現があるという事ですが、φ60の方が正規の寸法です。
    お詫びして、訂正させていただきます。申し訳ございません。

    ※弊社ホームページのトップに、「お詫びと訂正」と称する欄があります。そこに詳述しておりますのでご参照ください。